サプライチェーン強靭化へのカギ!課題整理からはじめるリスク管理と調達力強化[スペクティ×Leaner]
世界的なパンデミックや自然災害の増加など、近年、サプライチェーンを取り巻くリスクが多様化・複雑化しています。
スペクティは6月28日に、株式会社Leaner Technologies(以下、Leaner)と、製造業におけるサプライチェーンの強靭化に向けた重要な要素である「リスク管理と調達力の強化」をテーマに共催セミナーを行いました。
セミナーでは、具体的な手法や実現のポイントをディスカッション形式でお伝えし、サプライチェーンの可視化やリスクの特定と管理、調達プロセスの最適化やサプライヤー管理について深く掘り下げました。
今回、スペクティ公式noteでは、時間の都合上セミナーでお答えできなかった質問や、セミナーを終えてのトークセッションをお届けします!
ぜひ最後までご覧ください。
【登壇者プロフィール】
スペクティとLeanerについて
危機を可視化するスペクティ
スペクティは「危機を可視化する」をミッションに、世界中で発生する危機情報の可視化・分析・予測を行っています。
提供する「Spectee Pro」は、AIを活用し、世界中のSNSや車のプローブデータ、河川・道路カメラなどのデータを、網羅的に、リアルタイムで覚知できるAI防災・危機管理情報ソリューションです。
製造業の場合、生産拠点やサプライヤ拠点の情報を登録することで、拠点周辺で災害や事故が起こった際にメールやスマートフォンアプリに通知され、「危機」の状況把握を瞬時に行えます。
調達のスタンダードを刷新し続けるLeaner
Leaner Technologiesは「調達のスタンダードを刷新し続ける」をミッションに、調達DXを進めるクラウドサービスを提供しています。
提供している「Leaner見積」は、アナログな仕入先選定のプロセスをデジタル化し、データ蓄積・活用を促進することでバイヤーの勘・経験・努力を、組織の集合知に変え、「ソーシングの高度化」を実現するソーシングDXクラウドです。
製造業を中心にサプライヤー含めて5000社を超える企業様にご利用いただいています。
サプライチェーンを取り巻くリスクの増加
「自然災害等が発生した際の情報収集に手間がかかる」、「ペーパーレス化が進まない」、「担当異動による引き継ぎが大変」など、近年、サプライヤー管理に関する問い合わせが増えています。
特にサプライチェーンのリスク管理は、関係者が多岐にわたるため全体の把握やコントロールが難しい状況です。
世界中で自然災害が増加し、地政学リスクも高まる中、サプライチェーンの可視化や、調達力の強化は重要性を増しています。スペクティとLeanerはそれぞれの強みを活かすことで、サプライチェーン強靭化を促進、後押ししていきたいと考えています。
調達の冗長化とリスク管理
Q.今回初めての共催セミナーでしたが、セミナーを終えていかがですか?
-村上
Leanerさんの「調達の冗長化」というキーワードが印象に残りました。単純に見積もりを取ることではなくて、複数の調達先との関係性を構築することの重要性を感じましたね。
-田中氏
最近は有事が続いていることで、スペクティのようなサービスの重要性を特に感じています。一方で、平時の際に、第二・第三のオプションを持って冗長性を担保することや、データを蓄積し引き継げるようにしておくことも、広義のサプライチェーンのリスク管理において重要なんですよね。そういった意味で、実は共通点も多いのかなと思いました。
サプライチェーンの領域は広く、我々だけでは応えられない部分もあるので、連携しながらやっていけると良いですね。
-村上
SRM(サプライチェーン・リレーション・マネジメント)の中に、もっと我々のサービスが食い込んでいけると、 色々なことができるようになると思うので、上手く連携できるいいなと思います。
経営戦略としてSRMに取り組む
Q.SRMについて、必要性は感じているが、なかなか進められないという担当者が今やるべきことや、上層部への伝え方の部分でアドバイスはありますか?
-田中氏
年度の方針の中にSRMなどを掲げている場合は、それに紐づけて語るのが良いと思います。掲げていない場合は、経営として取り組む意味を伝えることですね。調達、ソーシング、サプライヤーとの関係性の構築は、事業の伸ばし余地だと思うのですが、実際は、メールやFAXなどで管理されていて、行き届いていないことが多いんです。"重要なのに、できていない"、そこに注力することが経営としても意味があると伝えると、話が進みやすくなると思います。
-村上
リスク管理って企業からすると「なるべくコストはかけたくない」と思われがちです。売上が上がる方にはお金をかけるが、守りの方にはコストをかけるのが難しいので、経営陣の考え方がすごく影響してきます。とは言え、最近はBCPやサプライチェーン強靭化のニーズも増えているので、対応していくことが将来的に売上につながるという意識を上げていきたいですね。
リスク管理の投資対効果とは
Q.リスク管理の投資対効果はどのようにすればいいのでしょうか
(視聴者の方からの質問)
-村上
算出しようと思ったらできますが、難しいところですよね。例えば災害に遭って生産が一日遅れた場合の損害を数字にすれば出せます。ただ、それを出したからといって説得力が上がるかというと難しいです。それよりも、日々苦労している現場の人が、サービス導入によってどれだけ工数が削減できるのか、緊急時にいかに効率的に動くことができるのかなどを伝える方が良いと思います。
-田中氏
弊社も投資対効果を伝えるときに、まずは定常的に発生しうる効果で説明することが多いですね。業務の負担がどれくらい軽減するのか、新規事業にどれだけ余力を使えるようになるのか、結果としてどのくらい調達コストに寄与するのか、などですかね。定性的な効果でいうと、異動退職時の平準化やサプライチェーンの冗長化などでお伝えすることも多いです。
DXを成功させるカギは"目的の設定"に
Q.ソリューションを定着させ、DXを成功させるために必要な視点とは?
-田中氏
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、目的が重要です。我々も導入の際に経営者や部門長、担当者に目的を聞き、共通認識を持ってもらうことを大切にしています。経営と現場のギャップが解消され、ツールとデータによって現場に余力が生まれることで、コストやPRにも響くような提案をできるようになったという話もあります。前提が変わると皆さんの行動も変わると思います。
-村上
まさにDXって今の業務を単にデジタルに置き換えるものではないですよね。今までやっていた一連の業務を単にデジタル化するのではなく、業務全体を変革することができる。その視点がすごく重要で、DXとデジタル化と混同せず、根本的に業務の仕方が変わることが重要だと考えています。
両社が語るサプライチェーンの未来像
Q.最後に今後の展望を教えてください
-田中氏
弊社のミッションは「調達のスタンダードを刷新し続ける」ことです。
調達の部門って、これまで大事なわりに恵まれてこなかったと思っています。日本にとって製造業は大事な産業で、その中で調達購買の役割の重要性は誰も疑う余地はないと思います。失われた30年とよく言われていますが、「Japan as No.1」と称された時代を取り戻せるように、調達・購買DXという側面から支援していきたいです。
-村上
我々は「危機を可視化する」というミッションを掲げていますが、早期にリスクを把握し、回避することができれば、損失はなくなっていくだろうと思っています。それは防災もサプライチェーンも同じで、災害が増えている中、企業活動を継続的に行っていくには、リスク対応が必要になります。
スペクティのサービスが入ることによって企業の成長につながっていくようになれれば良いなと思います。
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スペクティに関する質問への回答
最後に、セミナー中にお答えできなかったスペクティへの質問にお答えします。
→住所情報をいただければ拠点登録は可能です。その他お客様に合わせて通知する危機事象や拠点からの距離などもカスタマイズをすることができます。
→インターネット環境があれば、ブラウザからログインして利用いただくことが可能です。そのほかご利用中のシステムやソフトウェア、アプリケーションとSpectee Proとの連携を図れる「APIデータセット」も用意しています。
詳しくは営業担当までお問い合わせください。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
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