Specteeの新たな挑戦!サプライチェーン業界を革新する、新サービス開発の裏側に迫る
Specteeは、2023年11月に新しく製造業向けのサプライチェーン・リスク管理サービス『Spectee Supply Chain Resilience』(以下、『Spectee SCR』)をリリースしました!
『Spectee SCR』は、Specteeが培ってきた危機情報の解析技術をもとに、サプライチェーンのリスク情報や、それによる生産への影響などを可視化する機能を強化したサービスです。
『Spectee SCR』の開発は、Specteeにとっても新たなチャレンジ!新サービスリリースに至るまでは、さまざまなメンバーの想いや苦悩がありました。
今回は、サービス開発に携わったエンジニアメンバーに、開発の裏側や想いを聞いています。ぜひ最後までご覧ください!
【話を聞いた人】
"社内で前例のないサービス開発"
Q.最初に『Spectee SCR』開発の話を聞いたときの印象を教えてください
-宮川
私が開発に入った時点では、CTOの藤田さんとデザインチームのメンバーが、ある程度サービスのプロトタイプみたいなものを作っていたので、どういったものを作っていくのかというイメージは湧いたのですが、じゃあこのサービスにどういう価値を見出すのか、具体的にお客様がどのような使い方をするのかという部分は少しイメージしづらかったですね。
-佐々木
最初は、私も「サプライチェーン」という言葉にも馴染みがなく、イメージがあまり湧かない状況でした。そこからチームメンバーで書籍を読んだり、お客様のヒアリングに同席したりすることで、まずは顧客理解を深めることに努めました。プロダクトオーナーの方々にもとてもご協力いただきました。
Q.開発は具体的にどのように進めていったのでしょうか。
-宮川
当初は、「とりあえず『Spectee Pro』と機能を揃えたい」という要望があったので、そこから始めました。『Spectee Pro』は、これまで防災関連のお客様に多く利用いただいていましたが、近年はサプライチェーン・リスクマネジメント目的でのお客様も増加しています。両方の要望に応えることが難しくなってきたところで、『Spectee SCR』の開発が持ち上がったという背景もあったので、まずは『Spectee Pro』から移行してくださるお客様が求める機能を急務で提供する必要があると伝えられました。
Q.チーム体制やそれぞれの役割はどのようになっていますか?
-佐々木
エンジニアは、バックエンド(お客様から直接見えない裏側のシステム)と、フロントエンド(お客様が操作・閲覧するWebページの動作プログラム)を担当しているメンバーで分かれています。SCRチームでは「スクラム」を採用し開発を行っていて、そのチーム運営を取りまとめるスクラムマスターを私が務めています。
-宮川
また、インドにも開発チームがいます。以前はスポット的な機能開発を依頼していたのですが、人数が増えたのもあり、最近はメインの機能開発も頼んでいます。本番環境や技術的負債の解消、サービスのアップデートなどコアな領域はSpecteeチームが担当しますが、機能開発はインドチームが担当する部分が増えている状況です。
"イノベーションを起こす難しさとチームの成長"
Q.開発にあたり、苦労した点を教えてください
-佐々木
さきほど宮川さんが話した通り『Spectee Pro』と機能を揃えるところから開発を進めたのですが、『Spectee Pro』は前身のサービスから10年ほどかけて機能を継ぎ足して作られた経緯もあり、データも共通で使われるような設計になっておらず、それを『Spectee SCR』で提供するにはどういう分岐やロジックを組むべきか考えるのにはすごく苦労しましたね・・・。
-関根
フロントエンドで言うと、テストの自動化ですかね。初期段階では自動化できていなかったので、バグなどを自分たちで確認する必要があり、テストと修正に丸1日、2日かかっていました。現在は早く機能を提供できるように、テストを自動化し、アップデートを月に一度のペースで行っています。今後も、これまで機能開発に集中していた分、後回しになっていた品質向上や技術的負債の解消などを進めていきたいです。
-往蔵
「『Spectee SCR』でサプライチェーン業界にイノベーションを起こす」と考えたときに、「ターゲットを絞り込みすぎてはダメだ」と経営陣からも言われてきました。ただ、世の中にないものを一方的に作って利用してもらうのも難しく、ヒントを得るためにお客様へのヒアリングも行っていたのですが、そのあたりのバランスが難しいと今も感じます。
Q.11月にサービスをローンチ!達成感はありましたか?
-村上
中でもサプライチェーンのつながりを、線で地図上に可視化できたときは達成感がありました!お客様にも喜んでもらったという話を聞きましたし、特にこの機能は『Spectee Pro』と差別化できる部分なので、実装できた時は喜びもひとしおでした。
-宮川
先日地震があった際、トライアル中のお客様がアンケート機能を使ってくださっていて、災害があった事自体は喜ばしいことではないですが、しっかりとサービスを使っていただけていることが嬉しかったですね。本番をリリースしてから、なかなかフィードバックが返ってこない状況が続いていたんですけど、ようやくお客様にも使っていただけるようになって実際の声を聞けるのはありがたいです。
-佐々木
チームの中にはエンジニア歴が浅いメンバーもいたのですが、チームで振り返りをしながら改善を進める中で、少しずつ頼もしくなり、メンバーの成長を感じることができました。Specteeのエンジニアチームとしても、このチャレンジに取り組んで良かったなと思っています。
"より良いチームを作るための取り組み"
Q.リモートワークの中で、どのようにチームビルディングを進めていったのでしょうか
-関根
普段はほとんどリモートワークですが、チームのキックオフ会をオフィスに集まり対面で実施できたのは良かったです!Open Space Technology(OST)という手法を使ったワークショップを実施したのですが、メンバーがさまざまな話題を持ち寄り、リモートワークではとれないようなコミュニケーションが生まれました。メンバー全員が顔を合わせられる貴重な機会でしたね。
-往蔵
ほかにも、毎週水曜日のお昼の時間に、エンジニア全体で「技術カンファレンスを見る会」を開いています。基本的に私がピックアップをしているのですが、ここ最近はメンバーから「こんなトピックの動画ってありませんでしたっけ?」と質問されることも多くなり、参考にしてくれているんだなと感じて嬉しいです。
"今後はアップデートの速度を上げ、データを拡充"
Q.今後について意気込みをお願いします!
-宮川
まずは、技術的負債を最小限に抑えつつ、長期的な運用に耐えられる作りにしていきたいです。 関わっているメンバーが社内でもかなり多く、コミュニケーションコストもかかってくるので、私はソフトウェア面で、今後色々な人が関わっても楽しく作業できるような環境を作りたいと思っています。
-佐々木
お客様からのフィードバックに対して、もう少しアップデートの速度を上げられればと思います。また、私たち自身では気がつけない拠点や部品情報の登録などのフィードバックを受けることで、業界における知識も深めつつ、システムに反映できるような体制やサービスを作っていきたいです。
-関根
目標にしていたインシデントの覚知とサプライチェーンの可視化の部分はリリースできたのかなと思いますが、まだまだUI・UX面で改善の余地があると思います。これからもフィードバックを受けながら、実際に使っている方がよりサプライチェーンを強靭化できるような機能開発を進めていきたいです。
-往蔵
どんどんこれからも『Spectee SCR』で扱えるデータ種別を増やしていきたいと考えています。一筋縄ではいかないと思いますが、データのバリエーションが増えることにより、お客様にとってさらに有益なサービスになると考えているので、データをスムーズに増やせるような働きかけができるように尽力していきたいです。
-村上
『Spectee SCR』の開発に関わりはじめてからも、能登半島地震のような大きな地震がありましたし、水害も含めリスクが高まっていると感じます。今後も災害が起きた際に、しっかりと活用してもらえるように開発を進めていきたいです。また個人的には、チームの知見を貯められる仕組みを構築したり、当たり前に受け入れているものの見直しも行っていきたいですね。
Q.Specteeメンバーに一言!
-全員
社員の方からもどんどんフィードバックがほしいです!プロジェクトの成果を全体で共有する、誰でも参加可能なMTGを2週間に1度設けているので、ぜひご参加ください。ご意見どしどしお待ちしております。
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