函館市の地域防災力強化へ!地元密着の情報を届けるFMいるか&函館災害情報インタビュー【後編】
スペクティが連携協力を行っている、函館市のコミュニティFM放送局『FMいるか』、Twitterで災害情報を発信する『函館災害情報』に、インタビューを行うnote企画。
後編は、「災害時の対応」や「北海道胆振東部地震」、「地域防災」についての具体的なお話を伺っていきます。
2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震からまもなく5年。
当時の状況などを詳しく語っていただきました。
前編はこちら→https://note.spectee.com/n/n3f1aab36c500
災害時でのAI活用・独自の警戒レベル発信
Q.災害時の対応について教えてください
-松居氏
あらかじめ天気が大荒れすると予想されているときは、夜中でも配信できるような体制をとっています。また、胆振東部地震でのブラックアウトを経験し、長時間停電が発生した場合の電源確保のため、ポータブル電源と持ち運び可能なソーラーパネルを複数台用意し備えています。
Twitterアカウントでは、ヘッダーで災害レベルや規模に応じた独自の警戒レベルを知らせる取り組みも行っています。独自のものなので混乱を招くと思われる方もいるかもしれませんが、危機意識を上げる意味でも参考にしていただければと思います。
-伍楼氏
人がいない深夜や早朝などは、AIを活用した新しい防災気象情報システムを導入しています。気象庁や関係機関が発表する防災情報を専用のクラウドで受信し、自動で合成音声を生成します。この音声を放送局のシステムに連動して割り込んで放送することができ、職員が出社せずとも、災害情報を迅速に発信することが可能になりました。
-村上
そのようなシステムは地方のテレビ局などでも活用されていますよね。スペクティのAIアナウンサー「荒木ゆい」もいくつかのテレビ局で導入いただいています。
北海道胆振東部地震時の対応
Q.北海道胆振東部地震の際は、どのような対応を取られていたのでしょうか
-伍楼氏
朝3時すぎの出来事だったので、すぐに近くに住む職員から順に局に集まり災害放送を始めましたが、そのときには停電で信号も止まっている状態でしたね。
公式の情報もなかなか出ず、停電で情報収集の手段が減る中、リスナーさんに「困っている情報・知らせたい情報を寄せてください」とラジオで呼びかけたんですね。すると、4日間で1535通ものメッセージが届きました。停電やスーパーの営業、充電場所、断水のデマを打ち消す情報などが多く届き、ラジオやTwitterなどで情報をまとめて伝え続けました。
結果、FMいるかはそこから4日間、計69時間半、生放送で情報を伝え続けたのですが、これがラジオの有用性を知ってもらえたきっかけにもなったのではと考えています。
-松居氏
我々も地震発生後から、万が一のため車から電源をとり、スマホの充電を行いながら情報発信を行いました。Twitterで「停電しているようです」とツイートをしたところ、これまでにない反応がありました。次々と「札幌も停電している」など、他の地域からの情報も多く寄せられ、それによって大規模に停電が起きていることが分かりました。
最初はみなさんの情報をまとめて伝えていましたが、情報があまりにも多かったため、途中からはツイートを絞ってリプライ(返信)で情報交換をしてもらう方針をとりました。
地震直後は、一人暮らしの方などから「怖い、不安だ」という情報も多くありましたが、その後、みなさんのツイートをみて安心したという声も聞かれました。
-伍楼氏
SNSで他の方の情報が見えることや、ラジオから人の声が聞こえるだけで、安心した、街と繋がっていると実感したというお便りもありました。
-松居氏
我々も、地震発生の4日間で約850ツイート発信し、約6000人フォロワーも増えました。多くの方が情報を求めていたということだと思います。
-村上
そもそも情報を得られるはずの公式サイトなどがサーバーダウンしてしまい、情報が取得できないという状況もありました。冗長化という意味でも情報を伝える手段としてSNSなど他の手を用意しておくことが大切ですよね。
地域の防災力強化のために
都心などでは特に地域防災力の低下が課題となっています。そうした中で函館市はFMいるかや函館災害情報がコミュニティを作ることで、地域防災力の強化に貢献されていると考えます。
Q.地域防災力の強化や今後の展望についてお聞かせください。
-伍楼氏
災害が起こるたびのその力は強まっていると思います。地域の方も、自ら発信した情報が役に立っていると実感していますし、我々はその発信されてきた情報を安心な情報に変えて、繋げたいと思っています。「人とのつながりたい」という思いは、誰もが持っていることだと思うので、FMいるかとしてもあらゆる手段で防災に関する情報を発信しつづけたいです。
-松居氏
最近は、函館災害情報の投稿の返信の中で地域の方がやりとりしているのも見かけます。また、「函館災害情報に事故の情報があったから気をつけてね!」など、危機意識を上げる意味でも活用いただき、地域の皆さんが防災情報の共有をする「掲示板」的な役割にもなっていると思います。
「#Spectee」で投稿してくださるのも多く見受けられるようになったので、今後もこのような形で情報を発信し、地域に貢献していきたいです。
-伍楼氏
あらゆる災害を経て、コミュニティFM放送局は災害時の情報収集手段としての存在感が高まりつつあります。インターネットでもラジオが聞ける時代になり、函館に元々住んでいた方や家族がいる方など、この地域に住む人以外にもローカル情報が必要とされているんだと実感するようになりました。
FMいるかは開局して 30年の月日を経て、地域情報をより深く、きめ細かく、お伝えできるようになってきていると感じます。今後もさらに安心できる地域情報の発信に力を入れていきたいです。
-村上
SNSとラジオは良い相乗効果になっていると思っていますし、我々スペクティも連携することによって地域の危機情報がより「見える化」されます。
これからも、お互いに良いところを、情報収集・発信に繋げていきたいですね。
連携の詳細については下記プレスリリースをご覧ください
・函館災害情報(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000016808.html)
・FMいるか(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000016808.html)
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