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函館市の地域防災力強化へ!地元密着の情報を届けるFMいるか&函館災害情報インタビュー【前編】

みなさんは自分が住んでいる地域で災害が起きた際、「どこに避難をすればよいのか」「停電や断水、救援活動はどうなっているのか」など、地域の細かい情報収集をどのように行いますか?

災害時の情報収集に役立つ手段として「ラジオ」や「インターネット(SNS)」を挙げる方も多いのではないでしょうか。
南海トラフ地震や首都直下型地震、豪雨災害のリスクが高まる中、コミュニティFMやSNSなど地域に密着した情報を提供する媒体に注目が集まっています。

今回は、スペクティと連携協力を行っている函館市のコミュニティ放送局『FMいるか、Twitterで災害情報を発信する『函館災害情報に、「地域防災」をテーマにお話を伺いました。

【プロフィール】

Q.それぞれの開局・開設の経緯を教えていただけますか?

FMいるか開局の経緯

-伍楼氏
FMいるかは、函館ロープウェイ株式会社が運営するコミュニティFM放送局です。当時の社長が地域還元のために何かできないかとアメリカを視察した際、小さなラジオ局があることを知り、日本でも実現できないか考えたことが開局のきっかけです。同じタイミングで政府が「テレトピア構想」という地域情報化政策を進めていたこともあり、最初に手を上げて国と交渉し、コミュニティFM立ち上げを進め、1992年、全国第1号のコミュニティFM局として誕生しました。

-松居氏
私も開局当初から聞いていましたが、当時は留守番電話のような形で声を吹き込んで音楽のリクエストをする形だったんですよね。函館市民として、地域の細かい情報をラジオを通して知ることができるのは新鮮でした。

-伍楼氏
そうなんです。当時はリスナーの声と一緒にリクエストを流していました。北海道は規模も大きいですし、札幌の交通情報などを放送しても函館市民にはあまり役に立たないんですよね。開局時から、函館の道路や函館空港の情報など、函館エリアの情報をきめ細かにお伝えすることは意識しています。

函館災害情報とは?

-松居氏
函館災害情報は、「地域住民の防災意識向上」と「減災」を目標に掲げ、北海道函館市と周辺地域の災害情報をSNSで発信しているボランティア団体です。
学生時代、テレビで水害などのニュースを見て、「もし自分が住んでいる函館でも同じような事態が起きたらどうなるのだろう」と感じました。防災分野で情報を発信し続けることが減災に繋がるのではないかと考え、2002年7月から活動を始めました。
当初はメールマガジンとホームページを利用して活動を行っていましたが、2013年5月からはTwitterを使用して情報を発信しています。年々、地域の方からの情報も集まってくるようになり、現在はお手伝いのメンバーを含めた数名でスペクティのサービスも利用しながら活動しています。

災害時における地域情報の重要性

Q.年々自然災害も増加し、局所的な大雨の被害なども増える中、地域情報の重要性も高まっているのでないでしょうか

-村上

災害があった際、市民にとって重要なのはローカルな情報です。マスな情報も大事だが、いざ何か起きたら「水はどこにあるのか、どこに避難したらいいのか」などの情報が命に繋がってきます。そのような情報発信は地域に根ざしたところしかできません。私も東日本大震災のボランティア時に痛感し、スペクティを立ち上げた経緯があります。

-伍楼氏
我々は、"コミュニティFM"という媒体の性質上、地域の情報を伝えることが第一の存在意義だと思っています。日々日常の情報を流す中で、災害時にスイッチが変わったときに有効な情報を得てもらいたいですね。災害と日常は別物ではなく、つながっていると考えますので、日常から防災情報を伝えていくことも啓発として行っています。

-松居氏
FMいるかさんは30年という長い期間情報を配信し続けていることもあり、地域の方からも「なにか災害が起きたらFMいるか、天気が悪くなって警報が出たらFMいるか」という声をよく聞きます。

函館災害情報としては、通常は警察や報道機関などが発表しなければ把握できない、地域の災害や事故などの情報を発信し続ける事で、地域の皆さんの防災意識向上に繋がればと考えています。その結果として「防災」「減災」により万が一の際にも適切な行動ができるのではと考えています。

SNSの有用性

Q.そうした中で地域の方のリアルな声が反映されているのがSNSかと思います。災害時におけるSNSの有用性はどのようにお考えですか?

-伍楼氏
災害があるたびに、SNSでの情報発信の広がりを感じています。特に、速さ・情報量の観点では、取材をする側としては、使わない手はないですよね。一方で、災害時は情報が多すぎて、必要な情報を探し出して活用することに難しさを感じていました。
FMいるかとしても、困っている本人の声として投稿されるSNSから情報をいち早く集めて、次の安心に繋がる情報の取材に活かしたいと考えます。
また、メディアとしては、自治体や関係機関へ追加取材などをして、分かりやすく整理した上で伝えることも意識しています。

-松居氏
SNSの情報量は、本当にすごいですよね。
我々もTwitterの発信に切り替えた当初は、検索窓にキーワードを入れて手動で集めていたので、一般人レベルだと限界があると感じていました。

連携後の変化

Q.函館災害情報は去年11月から、FMいるかは今年7月からスペクティとの連携を行っています。連携後の変化などはありますか?

-松居氏
情報の配信数が格段に増えました。特に大きな災害がなくても事故の情報などが日々入ってきている状態です。
今まで地域の方から情報提供いただいても通知されないことや、見逃してしまうことがありましたが、Spectee Pro(アプリを含む)を活用する事で、どこに居ても、危機管理情報の把握が可能になりました。我々としても事故や災害など、素早い情報発信で二次被害防止へ繋げていけると考えています。
大災害時、最悪スマホが使えればSpectee Proのアプリで情報収集が可能なため、防災関係者の強い味方ですね。

-村上
函館災害情報さんには、画像やテキストの情報からでは分からない細かい場所の特定などにご協力いただいています。おかげさまで情報の精度がどんどんあがってきており、今まで曖昧に出ていたものが洗練されるようになってきています。

-伍楼氏
確かにSpectee Proの画面を見て、函館市の細かい場所の特定までできているなと感じますね。

-村上
今後もFMいるかさんや函館災害情報さんのような地域に根づいている媒体との連携による相乗効果があると嬉しいと思っています。

-伍楼氏
現在は全国にコミュニティFMが330局以上あり、それぞれの地域で強みを生かした情報提供をされています。ただ、規模は小さく数人で運営しているところもあるので、大事な災害情報を少人数でも把握するためにはスペクティのようなサービスが役に立つと思います。

【後編】へ続く・・・!

後編は、胆振東部地震、災害発生時の対応、地域防災についての具体的なお話をお届けします。

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